電話応対でCS向上コラム

第38回 感謝の気持ちをいろいろな言葉に託す

100%OKでなくても、自分の積極的な気持ちを表現すること、あたたかい気持ちを表すことはいくらやってもやりすぎることはありません。これまで、そんな心のやり取りとなるほめ言葉を見てきました。今回は、「ありがとう」を中心に、感謝の気持ちが伝わる(あるいは)感謝の気持ちを伝える表現を一緒に考えていきましょう。

照れくさいなら「サンキュー」でもOK

 私たち日本人は「ありがとう」という言葉が、なかなか上手に使えません。他人から何かをしてもらった時、そのお礼の言葉としてつい口から出てしまうのが、本来詫びる時に使うはずの「すいません」だったりします。例えば、レストランで注文の品をテーブルに運んでもらった時、英語圏の人たちは必ず「サンキュー」と、相手の目を見てはっきり言います。決して「ソーリー」と言ったりしません。「ありがとう」が照れくさいなら、「サンキュー」でも良いのではないでしょうか。どちらでも言いやすいほうを使ってみるのも一つの方法です。どんなに親しい間柄であっても、お礼の言葉を省くことは決して良いことではありません。「ありがとう」の言葉があるからこそ、本当の友情も育つのではないでしょうか。

感謝の気持ちを伝えるありがとう。

贈り物の良さをほめる

「この花びん、ステキだわ」

「このワイングラス、ワインがとてもおいしく飲めそうね」

贈り物が自分の好みにぴったりだということを伝える

「わあ、これ、ほしいと思っていたんだ」

「こういうの、私、好き!」

贈り主の気づかいに対して感謝の意を伝える

「こんなに私のことを気にかけてくれて、ありがとう」

「私の好きなものを覚えていてくれて、ありがとう」

心を込めて言うこと、感激をストレートに伝えてもいい

 このようなお礼の言葉「ありがとう」を、もっと上手に使えるようになりたいものです。例えば、贈り物には、相手のあなたに対する気持ちや思いが託されています。その思いに応える言葉を返したいですね。贈り物をいただいた時は、まずは心をこめて「ありがとう」の一言を。「わぁ、うれしい!」と感激をストレートに表してもいいでしょう。自分のことを良く知っている親しい人からの贈り物が、自分の趣味にぴったりという場合があります。そういう時は「こういうの、私大好き」と、贈り物と自分を関係づける言葉で返せば、嬉しいあなたの気持ちが、より確かに伝わります。さらに、贈り物と自分と相手の関係まで触れることができればさらに感謝が伝わるでしょう。例えば「こんなに私のことを気にかけてくれてありがとう」「私の好きなものを覚えていてくれて、ありがとう」などの表現は、相手に対するより深い親愛の情を伝えることになるでしょう。

別の角度から感謝の気持ちを伝えることもできる

 しかし、贈り物が、自分の好みとは違う場合もあります。贈る人の気持ちは嬉しく受け止めて、趣味に合わない時は無理して「こういうのが好きです」と言うのではなく、別の角度から感謝の言葉を伝えてみることができます。その場では相手の気持ちを受けて「ありがとう」をきちんと伝え、後日、「先日いただいたスカーフ、みんなに良く似合うとほめられたのよ!」とか、「いただいたペンダントは、どんな服にも合って重宝しているのよ」など、一言、お礼のメールを送ったり、電話をかけてもいいでしょう。

※アサーションは、「もしもし検定」のカリキュラムに導入されています。

平木 典子氏

日本電信電話ユーザ協会 電話応対技能検定委員。立教大学カウンセラー、日本女子大学人間社会学部心理学科教授、跡見学園女子大学臨床心理学科教授を経て、統合的心理療法研究所(IPI)顧問。専門は臨床心理学、家族心理学。日本カウンセリング学会理事。

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