電話応対でCS向上コラム

第18回 自分の気持ちをつかみ、伝える方法

誰でも自分の気持ちを相手に分かってほしいものです。しかし、非主張的な人の中には、自分自身の気持ちが分かっていないため伝えることができない場合は多くあります。そういう時に実行してほしいのが「私は」と主語を付けて文章を言う「私メッセージ」。今回は、この「私メッセージ」で自分の気持ちや考えをつかむ方法を紹介していきましょう。

最初は独り言でも良いので「私は」を付けて話してみる

非主張的な気分になっていると、素直な自分の気持ちがどこかへ消えてしまうことがあります。また、攻撃的な気持ちがあると、素直な自分の気持ちが歪んでしまいます。「私メッセージ」は、気持ちを確認し、取り戻す助けをします。最初は、独り言でも良いので「私は」と主語を付けて話してみましょう。例えば、「どうしよう」と思った時は、「私はどうしたら良いか迷っている」、「にらまれた」と思ったら「私はにらまれたと思った」、「早くしなさい」と言いたい時は、「私はあなたに急いでほしい」といった具合です。

自分の気持ちが明確になることで、自己表現も変化をしてくる

このように「私は」を主語にして話すと、徐々に自分の気持ちや考えが明確になってきます。三つの例のように話すことで、依存的な気持ちや攻撃的な気持ちがあるのは自分であることがはっきりしたり、相手を非難したいことが、実は自分の気持ちの押しつけであったりすることが分かります。「私は」を付けることで、自分の気持ちが明確につかめるようになると、自己表現も変化します。

相手に伝わりやすい表現ができるようになる

「あなたがグズだから腹が立つ」は、「私にはあなたの動きが遅く感じられるので、もう少し急いでほしい」に、「あなたがにらむから嫌だ」は、「私はあなたの目を見てにらまれたと思ったので、怖くなった」になるでしょう。そのような気持ちは、自分が起こしていることが分かれば、そのことを明確に伝えやすくなるので、相手にも分かりやすい表現になるのです。自分の気持ちや考えを相手に脅威を与えずに伝えることが、まさに自分らしさの表現なのです。

「私メッセージ」で自分の気持ちを適切に伝えることができる

あなたは常日ごろ、自分を伝えることをためらっていませんか?人は、その人自身が本心から言う意見や気持ちを聞くと、親しみやすさを感じたり、近づきたくなったりします。「私メッセージ」を練習するうちに、だんだん自分の気持ちが分かるようになってくるので、自分の気持ちをより適切に伝えられるようになるでしょう。

※アサーションは、「もしもし検定」のカリキュラムに導入されています。

平木 典子氏

日本電信電話ユーザ協会 電話応対技能検定委員。立教大学カウンセラー、日本女子大学人間社会学部心理学科教授、跡見学園女子大学臨床心理学科教授を経て、統合的心理療法研究所(IPI)顧問。専門は臨床心理学、家族心理学。日本カウンセリング学会理事。

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